保育学生にとって、一大イベントである”教育実習”。学校に通っていると、保育士資格や幼稚園教諭免許を取得するために必修となるので、避けては通れない道ですね。
では、なぜ実習に行かなければならないのでしょうか?
今回は私の経験から考えた、実習の目的や意味についてお伝えしたいと思います。学生の方々に学んでほしい内容でもありますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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常識を学ぶ
実習園への挨拶や電話、訪ねる時の服装や髪型、メイク、目上の方との話し方、お礼状の書き方…実習では子どもと関わる以外にも、気を付けることがたくさんあります。これらは社会に出てから必要となる一般常識です。
学生という立場ではこのような改まった機会が少なく、実際に実習へ行くと「あれ?どうやって挨拶すればいいんだろう…」と迷うことも多いのではないでしょうか?
実習は社会人としての常識を確認できるチャンスでもあります。もう一度しっかり確認しましょう。就職活動でも役に立ちますよ!
子どもたちを目の前にして実践できる
座学で学んだだけではわからない、リアルな子どもたちの反応を見ることができます。
「こんなふうに声をかけたら、どう返してくれるかな?」「この絵本、子どもたちにとっておもしろいかな?」「こういう説明で理解してくれるかな?」…気になっていることは、すべて実践してみましょう!
ちなみに私は初めての実習で、子どもたちの前で手遊びと絵本の読み聞かせをしました。
「つまらなくて誰も反応してくれないんじゃないか」と、不安になったことを覚えています(笑)しかし、実際に行ってみると子どもたちはまっすぐな目で私を見てくれ、絵本の中の歌を一緒に歌って楽しみながら、集中して読み聞かせを聞いていました。
この初めての経験はとても嬉しく、今でも鮮明に覚えています。
子どもたちとの小さなやり取りの中で新たな課題も見つかり、その積み重ねが自分の自信へとつながること、現場に出てからも役に立つことを実感しました。
先生と子どもとの関わりを見られる
実践する以上に多い経験といえば、現場の先生と子どもたちとの関わりを目にする機会。担任の先生が声をかけると、子どもたちは実にさまざまな行動を見せてくれます。
例えば、先生が「制作をするから、のりとクレヨンを持って座ってね」と声をかけたとします。すると、すぐに持ってきて座る子、座ったけどクレヨンを忘れている子、全然話を聞いていなかった子、遊んでしまって準備が進まない子、友達とぶつかってケンカを始める子…と、さまざまです。
学校で学ぶだけで、ここまで予想できますか?ちなみにこれは私のクラスで起こるであろうことを予想してみました(笑)
皆さんが現場に出た時も、自分の予想以上にいろいろなことが起こるでしょう。子どもの不思議や面白さを、ぜひ体感してください!
さまざまな先生の保育が見られる
意外と重要なのが他の先生の保育が見られることかも知れません。実習園でいろいろなクラスに入ると、「この先生の保育は面白いな」とか、「すごく優しくて素敵な先生だな」「この先生ちょっと怖いな…」など、各クラスの先生に対しさまざまな印象を持つと思います。
先生たちにも個性があり、遊び方や声かけの仕方、手遊びのレパートリーや絵本の読み方…みんな違います。
実は、こんなに多くの先生の保育が見られるのは、実習の時くらいなのです!自分が先生になってクラスを受け持つと、他のクラスを見られる機会は意外とありません。
就職して1年目からクラスを任されることもあります。そうすると、「あれ?こんな時どうしたらいいんだっけ?」という場面にもぶつかることもあるでしょう。
その時に役立つのが、実習中に出会った先生の保育です。良いと思ったことはどんどん盗んで、自分のものにしておきましょうね!
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保護者対応を学べる
実習中に“保護者対応”を初めて見る方も多いかと思います。実習というと子どもに囚われてしまいがちですが、実際に働くと子どもだけでなく、保護者と良好な関係を築くことも大切です。
朝の受け入れや降園時など、先生たちがどのように対応しているかもよく見ておくといいでしょう。
ちなみに私が初めて保護者対応を見た時の感想は、「お母さんたちが若い…(当たり前だけど)」「保護者って怖いイメージがあったけど、意外と先生と仲良く話しているんだな…」「子どもの園での様子を知りたがっているんだな…」という3点でした。
指導案、日誌などの書き方が学べる
実習中には、指導案や日誌などたくさんの書類を書きます。園によって種類は異なりますが、現場に出てからも月案、週案、日案、指導案、個別計画書、児童要録、行事の企画案や反省など、たくさんの書類を書くことは一緒です。
書類の書き方をじっくり教えてもらい、添削までしてくれるのは実習中くらいです。
大変ですが、練習だと思って書き方のコツを学んでおきましょう!私も実習日誌には本当に大変な思いをしましたが、今では添削する立場です。皆さんにもいつかそのような時がくると思います。苦労した経験はきっと役に立つはず!
就職先を考える上で参考になる
実習園の様子は、自分が就職先を考える上で比較の基準になります。
実習園と比べて大規模または、小規模な園がいいのか、どのような保育方針の園がいいのか、自分の保育観を考えるきっかけにもなるでしょう。実習園に対して感じたことを、就職活動に生かすことができます。
私が何回かの実習を通して思ったことは、「園庭で泥遊びができる園がいい(実習先は園庭がゴムチップでした)」「動物を飼っている園は子どもにとっては楽しそうだけど、先生は小屋掃除やエサやりが大変そう…」「キーボードじゃなくてピアノがある園がいい」などでした。感じ方には個人差があると思うので、いろいろ見てくださいね。
以上、今回は私の考える実習の意味について大きく分けて7点お伝えしました!
先生になる人もならない人も、”実習”とは、人生において大きな学びの機会だと思います。誰しもが経験できることではありません。私もここでは語りきれないほど、もっともっと多くのことを学びました。
大変ですが、その分楽しいことや嬉しいこと、学べることがたくさんあり、これからの自分にとって大きな力となります。そんな実習の意味も考えながら、頑張って立ち向かってくださいね!