こんにちは!17年保育園勤務経験のあるライターの平です。散歩は季節を感じたり、いつもとは違う風景を見られたりと、さまざまな経験ができますね。
しかし園を出るので配慮することがたくさんある活動でもあります。この記事では散歩など園の外での活動で気をつけることを書いていきます。
- 事前準備
- 配慮すること
- 散歩カートの使い方
- 導入におすすめの活動
- ねらいの例
目次
散歩の事前準備
天気がよく気候のいい日は散歩に出かけたくなりますね。週案を立てたけれど、予定の日が雨の場合もあるでしょう。いつでも散歩に出かけられるように事前準備をしておきましょう。
園のルールの確認
散歩に出るには園の方針や地域差もあると思いますので、園のルールを確認しましょう。
私が勤務していた園では、
- 主任以上の先生に報告
- 戸外活動へ行くときのノートにクラス・行き先・帰る予定時刻記入
というルールがありました。
ルートの確認
はじめて行く場所の場合は、事前に保育士自身が歩いて確認しましょう。
見るポイントは、
- 段差の有無
- 信号
- 交通量
- トイレの有無
などです。
子どもは思いがけないポイントで立ち止まったりもします。気をつけるポイントと同時に、お楽しみポイントも見つけておくといいですね。
例えばたぬきの置物がある、季節の花が植えられている、面白いマンホールがあるなど、小さな楽しみを子どもたちと共有できる余裕があるといいですね。
雨天時の対応
少し遠出する戸外活動は雨予報でも日にちが変えられないときもありますね。「残念だけど、またお天気のいいときに行こうね」など前向きな声かけをしましょう。
次は晴れるようにてるてる坊主を作ったり、製作を準備しておくといいですね。お弁当を準備している場合は、室内でピクニックシートを広げてお弁当を食べ、外気分を味わうのもオススメです。
散歩へ行くときの持ち物
散歩では想定外のことがおこる時もあります。持ち物を確認しましょう。
- 救急セット(バンドエイド、消毒液or水道水、ガーゼ)
- ティッシュ
- ウエットティシュ
- 消毒スプレー
- ビニール袋
- トイレットペーパー(トイレにない場合があるため)
- オムツ
- 着替え
- 携帯電話
- 笛
- 距離によってはお茶、おやつ
配慮すること(注意点)
人数確認の徹底!
何より人数確認は徹底しましょう!!
普段から安全には注意しているとは思いますが、戸外での活動にはより注意が必要です。事前のルート確認で危険な箇所が少ない場所を選ぶようにしましょう。
交通ルールをわかりやすく伝える
「信号がピカピカしてるから止まろう」「歩く人は左側を歩くんだよ」など道路を安全に歩くためのルールがあることを伝えてましょう。
特に年長クラスは小学校入学を見据えて、交通ルールを伝えていくといいですね。家庭では子どもの移動は車や自転車が多いでしょう。保育園の散歩は交通ルールを伝える貴重な場でもあるのです。
言葉づかい
外に出ると気をつけたいのが言葉づかい。子どもの呼び捨てや「〇〇しなさい」などしていませんか?保育士は声がよく通る人が多いです(私もそうです)。
街中などでは地域の方に見られていますよ。見られているから気をつけるわけではありませんが、普段の子どもへの声かけもいつ誰に見られてもいいようにしましょう。
散歩での事故や置き去り
あってはいけないのですが、保育中の事件や置き去りがあるのも事実です。自分がもし遭遇してしまったら?この事故は未然に防ぐにはどうしたらよかっただろうと考察するのも大切ですね。
事故
2019年滋賀県でおこった事故を覚えている人もいるでしょう。散歩中の列に車が突っ込み保育園児ら16人が死傷した事故です。この事件では歩いていた列に車が突っ込んでくるという防ぎようのない事件でした。
散歩には危険もつきまといます。そしてもし自分が散歩中に同じことがおこったら?地震がおこったら?と想定し、どう行動すればいいか、自分なりの危機管理と園や先輩保育士と話し合う場があるといいですね。
置き去り
東京都の調査によると保育中に4年間で94件の置き去りがあったと報告されています。
置き去りは絶対にあってはならないと、ほとんどの保育士が認識しているはずです。戸外活動だけでなく、部屋を移動する時など必ず人数確認をしましょう。
散歩カートの扱い方
散歩に出るときに乳児クラスなら散歩カートを使うと思います。私の園ではバギーと呼んでいました。座って4人乗れるタイプ、立って4.5人乗るタイプなどがありますね。
〈バギーを扱う場合の注意点〉
- 止まったら必ずブレーキをかける習慣をつけましょう。
- 子どもが手を出さないように声をかけましょう。
- 結合部分には触れないよう年齢によってはタオルをまくなどしましょう。
子どもの重さとバギーの重さで、少しの斜面でもハンドル操作がききにくくなります。
かなりの重さですので、なれない場合や登り坂など、不安なときは先輩保育士に手伝ってもらいましょう。無理はしないでくださいね。
散歩の導入におすすめの活動
手をつなぐ練習になる取り組み
手をつないで散歩に行く光景をみますが、実は乳児クラスでは手をつなぐのも一苦労です。1歳児クラスは手をつなぐのが難しい場合が多く、2歳児クラスになると「あの子がいい、この子はいや」と、はっきりいう子もいます。
また月齢差などで歩くスピードの個人差が大きいです。手をつないで隣の子と息を合わせて歩くのは日々の積み重ねが必要になります。
私は活動と活動の隙間時間などに、となりのトトロの「さんぽ」の曲に合わせて歩くリトミックのような活動をよくしていました。
クラスの雰囲気がわーってなったときや、おもちゃ遊びに飽きてきたなというときに取り入れると、子どもの気分転換にもなり、自然と友だちと歩く姿も見られましたよ。
散歩への期待が高まる製作
落ち葉やどんぐりの時期など、散歩の前の活動として、紙コップや封筒でカバンを作ると散歩への期待感がもてますね。安全対策のためにヒモをつける場合は、必ず斜めがけで持つように声かけしましょう。
双眼鏡を作ってみるのもおすすめです。詳しくは下記を参照してくださいね。
ねらいの例
散歩や戸外活動の年齢別のねらい例をお伝えします。
0歳児
- 陽ざしのあたたかさや風を全身で感じよう
- 桜(季節の花)を見たり、土に触れたりして自然に親しもう
1歳児/2歳児
- 風や光を感じながら戸外である楽しさを知ろう
- 保育士や友だちと一緒に季節を感じよう
3歳児/4歳児
- 友だちと手をつないで歩くことで人を思いやる気持ちに気づこう
- 簡単な交通ルールを守り、道路では危険な行動をしないことを知ろう
- 季節の花や寒さ暖かさを感じ、季節のうつろいを感じ取ろう
5歳児
- 友だちと歩調を合わせて歩き、相手を気づかう気持ちを育もう
- 交通ルールを知り危険な行動はどんなことか考えて行動できるようになろう
- 普段とは違う遊具で遊び、冒険心や探究心を育む
まとめ
散歩や戸外活動は子どももいつも以上にテンションが上がり、思いがけない行動をするときもあります。楽しい気持ちを尊重しながら、安全に気をつけて楽しい時間を過ごせるような配慮が必要ですね。
実習生や新人保育士のときは無理せず、危険を感じたら声をあげて周りに知らせるのも大切です。
散歩や戸外活動は園では味わえない気持ちや、経験をすることができます。安全には十分に気をつけて保育に取り入れていきましょう。