保育士ぽっくる先生の”保育の知恵袋”

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コラム

保育の裏側:「自由画」が全然自由じゃなかった話。

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こんにちは!ぽっくる先生(@2525pokkuru)です。

今回は私の経験から、保育への疑問シリーズをお届けします(シリーズと言いつつ今回が初めて)。

 

保育の仕事って、学生の頃に思い描いていた姿と、実際現場で働いたときのギャップがすごく大きいと思いませんか?

保育に対する考え方、子どもへの接し方…だれもが現場で疑問を感じたことがあるでしょう。

私も慣れてしまったこともたくさんありますが、今でも忘れられない、「保育現場でのショッキングなできごと」のひとつをお届けします。

 

題して「自由画が全然自由じゃない事件」です。

 

自由画とは?

はじめに、一応「自由画」の意味を確認しておきましょう。自由画とは、

子供の個性や創造性を尊重し、欲するままに描かせる絵画。大正期の美術教育運動で山本鼎(やまもとかなえ)が提唱した。
(コトバンクより引用)

というものです。

 

「子供の個性や創造性を尊重し」
「欲するままに描かせる絵画」

のことです。

 

入園してはじめての制作活動は「自由画」

私が幼稚園につとめていたときのことです。2年目ではじめて年少組の担任になりました。

 

園では毎年、月ごとの制作が決まっていて、年少組4月の制作は「自由画」。4月末、子どもたちが落ち着いた時期に絵を描くことになりました。

子どもたちに白い画用紙を配り、「なんでも好きなものを描いていいよ」と声かけして始めました。

 

家でお絵かきをして慣れていた子は「お母さんの顔」「アンパンマン」「りんご」など、それっぽい色と形で絵を描き上げました。

しかし、今までほとんどお絵かきなんてしたことのなかった子たちは、当然形を描けません。

 

クレヨンをまとめて5本くらい持ってしまう子もいたし、ぐるぐるとウズを描くだけの子もいました。「ぼくは車かく」と言いながら、画用紙をぬりつぶすだけの子もいました。

でもそれは子どもたちの自由な表現です。みんな一生懸命に描いていたので、なにも疑問を感じませんでした。

 

なにより、はじめての制作指導、無事に終わったことがうれしい…。

 

しかし、それではダメだった…

その日の午後、子どもたちが降園してから1日の振り返りと反省を行いました。私が

ぽっくる
自由画できました!

と、自信満々に子どもたちの作品を先輩に見せると

え…

 

なぜか先生たちがドン引きしている…!

 

なんて言って描かせたの?全然形になってないよね…ぐちゃぐちゃじゃん。
さすがにこれは保育室に飾れないわね。こんなの親に見せられないでしょ。

 

と言われる始末!一部OKをもらえた子以外、全員描きなおしになりました。

 

絵を操作する。

とはいっても、今までお絵かきをしたことがない子が、1日で急に形を描けるようになるわけがありません。

先輩たちに指導法を聞き、「子どもたちの絵を操作する」ことになりました。

 

具体的にいうと、

  • 自由に描かせないよう画用紙の余白部分を手でおおって隠す
  • ここまで線書いて!と子どもの手を紙上で誘導する
  • 使う色を指示する

など、子どもが勝手に変なふうに描き進めないように阻止しつつ、こちらの誘導で描かせるのです。

 

この誘導の結果、全員それっぽい絵ができあがりました。

ぽっくる
描きなおしできました。

と報告して見せたら、

すごい良くなったじゃん!先生やればできるじゃん!

と、めちゃめちゃ褒められました。

ぽっくる
…。

 

 

後日、保育参観にあわせてこの自由画を保育室に飾りました。

 

自分の子どもの作品を見た保護者からは

「すごい!この絵、ほんとにうちの子が描いたんですか?」
「やっぱり幼稚園に入れると描けるようになるのねぇ。」

と、多少の疑問と喜びの声を聞きましたが、なんだか複雑な気持ちでした。

 

保育の世界には、こういうおかしなことが多い。

こうして見てみると、「そんなおかしな園があるんだ!」と思うかもしれませんが、ぶっちゃけこういうこと多いです。

これは私がはじめて受けたカルチャーショックでしたが、他にもたくさんあります。

そんな世界で長年働いていると、だんだんと自分の感覚もマヒしてきちゃうんですよね…。

 

まだ経験の浅い先生ほど、「こんなことするの?!」「これおかしくない??」と感じることが多いはずです。

ベテランになっても、そのとき感じた疑問を忘れずにいてください。

 

ぽっくる
そんな不自由すぎる自由画のお話でした。

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